アマチュアViolin弾きの「独り言」

~思いついたこと、気になることを自由に、気の向くままに~~<そうして中断です>~

東京クワルテット

先日、水戸室内管弦楽団のことを記したが、チェロメンバーの一人に原田禎夫
いる。
彼を見て、1969年設立の「東京クワルテット」(弦楽四重奏団)が昨年、40年以上の
活動の歴史に幕を閉じたことに、思いが及んだ。


彼は、この「東京クワルテット」の創設メンバーの一人であった。
このクワルテットは共に桐朋学園大学出身で、この後ジュリアード音楽院に学んだ
ヴァイオリンの原田幸一郎、名倉淑子、ビオラの磯村和英、そしてチエロの原田禎夫
1969年に創設。
翌1970年ミユンヘン国際音楽コンクールで優勝。
一躍注目される存在になり、以降、世界で活躍することになった。


メンバーは途中で変動が有り、解散時の日本人は二人。
一人はビオラの磯村。彼は創立時からの唯一のメンバー。
もう一人は1974年から参加したバイオリンの池田菊衛。
チエロの原田禎夫は1999年に退団をしている。

 

残った二人の日本人メンバーが退団意向を示し、その後、名称、成立沿革からして
日本人を交代要員とすべく探したが、二人同時と言う事は難しく、結局解散する
事になった由(メンバーの池田が語っている)。

結局、昨年解散した。
日本ではさよなら公演が5月に行われた。

 

私は、個人的には、アメリカ的な演奏をするクワルテット、と言った印象を持ち
続けていた事も有り、感覚的にピタッと来なかった。
だから、余り聴いては居なかった。
食わず嫌い的な部分を含めて、少なくとも好んで聴くクワルテットでは無いまま
に経過していた。


割と聴くようになったのは、ここ数年である。
理由は、聴き手側の音楽的な感覚の変化、そして演奏者側にも年月と共に現れる
音楽的表現の変化、といった所だと思う。
このクワルテットに対する「距離感」と言った感覚が薄らぎ、最近は落ち着いて
聴ける様になっていただけに、解散は残念ではある。