アマチュアViolin弾きの「独り言」

~思いついたこと、気になることを自由に、気の向くままに~~<そうして中断です>~

抽象(画)って?

私は、「抽象の平面作品を主として制作しています」
先ずこの説明を聞いた人が・・・・
・・・・「??」「よく判らないなあ」「具体的には?」となる場合が多い。

これは
「抽象画をキャンバス、紙とか平面のもの(立体では無く)に描いている」と
言う事を意味している。

「初めから、その様に言え!!」と言われそうだが、実は、持って廻った
言い方なのは、それなりに訳がある。

 

が、まあ、今日はこれらの説明は省いて『抽象(画)』について、少し記す
ことにした。
個展などで、一般の方から質問を受ける場合に、「抽象って?」と言う問いが
上位を占めている。

どの様に、抽象化し表現するのか。制作過程は?どんな風に変化、抽象化
していくの?
それらの質問を発せられる場合は、展示されている作品の制作のスタート
時点では、先ず「具体的な物」が有り、それを順次抽象化して行く、そして
結果としての作品が発表されて居る、と考えておられるのだと思う。


然し
この考えは、抽象(画)の制作アプローチの一つ方法にしか過ぎない。
(誰もが解る例はピカソである)


もう一つの制作方法として、「具体的な物」からスタートしない抽象(画)
がある。


前者は、ピカソの例で言えば、正面向きの顔に、横から見た耳、横と正面から
見た唇が半分ずつ・・・・等々。具体的な物からスタートしている。
(これらの範疇には、具体的な物を描く「写実」「具象」と言った分類とも、隣接
して居ることから、区別が難しい場合も多い・・・・この点も、今日は省く)


これに対し、後者は、具体的な物をヒントにして画面を作り出すのでは無く、
作者が内面で感じる、色、面、線、或いは空間から作品を作り上げる。
勿論、潜在的に作者の感覚のなかに存在する「何か」が、無意識下に作品に
表れることはある。


その結果の作品が展示される。
では、それを鑑賞。


アート(特に抽象(画))は音楽を聴くが如くに眺めるモノ。
見て、先ず、何か感じればそれで良し。
良い作品からは音楽も聞こえてます。
(ただ、この思いには音楽は別ジャンルの芸術。同じ舞台に上げて論じるな、
との意見もありますが)
何となく安らぎを、落ち着きを、そして一部の色に対してでも美しいと
感じれば、それが抽象作品鑑賞の始まり。
勿論、嫌悪感を感じれば、それはそれで作品が何か主張していると言う事
だと思います。


どうしても、具体的な物を感じたい人が大勢居られます。作品の中に自分で
適当な形や、色から、「これはピアノが逆さまに描いてあるのだ」と、思うの
も自由です。作品に近づき、親しみを覚えることが、全ての始まりだと思い
ますから。
私も、「これは○○を描いているのですね」と言われた経験が、何度も有ります。
「えっ。そう言われれば、そんな風に見えますね」と言って話が終われば、良い
のですが、頑強に「これは△△が描いてある!!」と主張する人が居たりします。

 

特に抽象画は
出来得れば、一度では無く何度か眺め、作品と対話をする。
新しい世界が開ける筈です。
抽象(画)って、面白いですよ。