アマチュアViolin弾きの「独り言」

~思いついたこと、気になることを自由に、気の向くままに~~<そうして中断です>~

固定観念に縛られて

私の主催する絵画教室の話し。

それは平日の教室の話しである。

 

平日の場合は、参加者の中心は「専業主婦」。

それに少数の定年後の男性が、新しい趣味を求めて加わる。

 

この男女の間には明らかな男女差に基づく特徴が有る。

一言で言えば、

   女性は柔軟

   男性は過去を引きずり、頑迷。

 

例えば、

「太陽を赤以外の色で描いて下さい」と言う。

女性は「えっ」と言うが、「青でも?」「黒でも良いのですか?」

等と言って手を動かす。

男性は、概ね手が動かない。「太陽って、赤とか、オレンジ色

とか・・・ですよね。他の色の太陽は見たこと無いなあ」となる。

「どうしてですか?理由は?」と続く。

発想を自由にして欲しいからと、言っても納得できず、手が動か

ない。

 

また、

「絵を描くのは初めてです」と言って来る人も多いが、

「感じるままに、自由に、描いて下さい」

「リンゴが丸くなくても良いですよ。三角でも四角でも」

ここでも女性は「えっ!」とは言っても、何とか手を動かそうとする。

 

男性は「デッサンから始めないと・・・・」とか「影が・・・」と

言った様に、先ず頭で考える。

理詰めで絵を描く作業を始めようとする。

描くことにも、人生の過半を過ごしてきたサラリーマン基準で

考える。

だから、なかなか進まない。

 

 

公募展やコンクールへの出品希望者に対しては、全く異なる

指導があるが、

「趣味の絵画」はとにかく手を動かし、悪戦苦闘し、失敗を重ね

ながら、新鮮な体験、未知の体験(経験)を重ねることが第一だと

思って居る。

何等かの「モノ」「カタチ」「線」「色」が現れたら・・・そこには

ほんのごく一部で有っても、素敵な色が、素敵な線を発見出来る。

 

 

描いている人と、その事実を共有し、描くことの楽しさに繋げて

いける。

形が狂い、線が曲がり、色が思い通りで無い・・・・その時

女性は、その時点での自分の能力、レベルを自然体として捉える

ことが比較的出来る。

然し、男性は得てして我慢ならない気分になる。

「基礎」を教えないから、先ずデッサンをしないから、絵が描けないとなる。

定年のサラリーマンにとっては、会社人間としての既成概念、発想、

常識から飛び立つことはなかなか出来ない。

 

 

 

私の「趣味の絵画」の指導は

理屈を後回しにして、描くこと中心で(楽しむこと中心で)進めるので、

男性には評判が悪い様で、比較的短期間で辞めて行く人が多い様に

思っている。

「枠」が無いと不安感に繋がるのかも知れない。

同じ教室の生徒が、同じ傾向の絵を描いている・・・・これって、

私にはもの凄く気持ちが悪い。

生徒が辞めていくことより、自由に描いて、各人の個性が表れることを

優先したい。