アマチュアViolin弾きの「独り言」

~思いついたこと、気になることを自由に、気の向くままに~~<そうして中断です>~

フィラデルフィア管弦楽団の放映を見て

昨夜、TVで「フィラデルフィア管弦楽団」の演奏を見た。
曲目はモーツアルトの「ジュピター」とマーラーの「巨人」。

ここに書くのは、演奏そのものでは無く、
画面を見て、改めて感じたこと。

 

いつの時代からか、コンサートマスターが「スター」として
扱われる様になり、オーケストラメンバーと同時では無く
後から現れる様になった。
このオーケストラでも例外では無く、後から登場。
然も、その間にオーケストラのメンバーは各々が好き勝手に
がしゃがしゃと音出しを暫くしている。


静かになって、効果的に?やおらコンサートマスター登場。
別格扱いをすることで、聴衆に権威を感じさせるのか?
コンサートマスター自身に満足感を与えるのか?
演奏面ではソロをし、全体的な掌握をし、指揮者とメンバーの
橋渡しをし、指揮者の解釈に基づき弓順(ボーイング)を決め、
等々、仕事は多岐にわたるのは事実である。
けれど、それらはオーケストラ内部のこと。職責として当然の
こと。
演奏会で、聴衆に「私は偉い。別格だ」と主張する必要は感じ
ないのだが。


これまた、いつの時代からか、コンサートマスターの椅子は
他のメンバーと異なり、ピアノ椅子等を置く様になった。
(フィラデルフィアは特別の椅子では無かった様だ)
確かに、後ろの席からは高い位置にする方が見やすいかも
知れない。
私は、オーケストラの後ろの席で弾いた経験がほとんど無いが、
数センチだけでも移動すれば、コンサートマスターを見ることが
出来る筈。
私の中では、コンサートマスターの特別椅子は「権威付け」の
要素がむしろ多分に含まれていると思って居る。

最近は、私はオーケストラ活動をしていないが、この位置で弾く
時には、皆と同じ椅子で、皆と一緒に同時にステージに上がって
いく。
(ずっと変わらずにこの姿勢で居る・・・・私の座高が高いだけ!?!?)

因みに、演奏をしているメンバーにとって、コンサートマスター
の動きは、指揮者よりもむしろ大事なことが多々有る。
だから、コンサートマスターを見ることが出来るかどうかは、
メンバーにとって重要な事だと言うのは事実である。

 


もう一つ、このオーケストラのコンサートマスターの椅子が、
客席側に向いていた。
弦楽四重奏などでも4人が馬蹄形に並ばないで、客席に向けて
拡がって演奏する傾向が多くなっている。
音が、客席にストレートに届くようにとの考えから、この様な
並び方が多くなった。
この傾向に対し、ホールの音響効果は昔と大きく変わり、現在
では音楽専門ホールではなくても、客席に音が上手く伝わる様に
なっている。
むしろ、昔の多目的ホール的な所でこそ、横並びが必要だった。
演奏家自身に、余り理解できていない事実である。


この発想で、コンサートマスターの椅子は客席方向に向けて
セッティングしてあった。(確かにソロ部分が何カ所も有るが)
けれど、コンサートマスターは向かいに位置するチェロ側を向いて
演奏(椅子に斜めがけで座っている)!!!客席に向かって座って居ない。


ひねくれた見方ではあるが・・・・何かが、少し異常だとは思う。
これらの傾向、このオーケストラに限って事では無いが。